今回は英語の発音練習法で実践して良かったと思ったものをご紹介します。
英語の発音って、勉強して知っている語彙が増えたり、リスニングやリーディング、はたまたスピーキング力が向上してきても、中々上達を実感し難い要素ではないでしょうか?帰国子女でも無ければ、ネイティブスピーカーの様な発音とは程遠いのが日本人の一般的な英語の発音だと思います。(そして、私もそんな日本人の一人です。)本記事では、イギリスに留学したことがきっかけで、ネイティブみたいになれなくても、せめてもう少し発音を向上させないとまずいなと感じた経験から見つけた、英語発音の学習方法についてご紹介します。
【目次】
英語の発音 – 前編
1.英語の発音を勉強し始めたきっかけ
2.英語発音の学習方法(ドクター・D・イングリッシュとの出会い)
3.ドクター・D・イングリッシュの学習内容
英語の発音 – 後編
1.ドクター・D・イングリッシュの担当トレーナー
2.ドクター・D・イングリッシュを受講してみて良かった点・悪かった点
3.発音のBefore/After
英語の発音 – 番外編
1.20回を受講してみた結果
2.20回の受講を完了してみての感想
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1.英語の発音を勉強し始めたきっかけ
一番のきっかけは、イギリスの大学院に留学した際に感じた、自分の英語が通じないという焦りです。具体的には以下の様なことを経験したことが背景にあります。(帰国子女とかでもなく、社会人になってから初めて留学した人にとっては結構あるあるなんじゃないでしょうか?)
【発音で困ったこと】
・めちゃくちゃ簡単な文でも意味を理解して貰えないことがある。(発音の問題で文字で書いて見せると「あー」とすぐ理解して貰える。)
・会話で聞き返されることが頻繁にある。
・自分が普段話しているよりも大きな声で話したときに上手く発音出来ない。(教室で小グループに分かれて一斉にディスカッションするときに、普通に話すとかき消されて聞こえない為、大きいな声で話そうとすると上手く発音出来ない。)
・聞き手も聞き取れないので、話を聞いてくれなくなる。
・話し手も聞き取って貰えない為、フラストレーションが溜まり、会話をするのが億劫になる。
発音がネイティブみたいに綺麗である必要はなく、ちゃんと意思疎通が出来れば問題ない、日本人は発音を気にし過ぎだと良く言われます。私もネイティブみたいに発音出来る様になる必要は全然ないと思っていますが、「ちゃんと意思疎通が出来ない」というのは困ったことです。では、具体的にどの様にしてこの状況を打破しようと勉強したのかについてこの記事で紹介していきますが、私自身の英語の発音の勉強の歴史についてもう少し紹介します。(そんなの興味ないという人は飛ばして次のチャプターからお読みください。)
そもそも、英語の発音に特化して学習したことがあるという人は意外に少ないのではないでしょうか。私も1回目の大学院生の頃(かれこれ8年ほど前)に、以下の書籍を1周だけ学習したきり、発音にフォーカスして学習したことはありませんでした。
※これが当時練習に使用した書籍です。今思い返すと、後述のDr.Dで学んだ練習法と重複する部分もあり、また発音の仕方を絵や動画で解説してくれていて良書だったなと思います。ただ、思ったよりも結構分厚い本で1周するので満足してしまっていました。
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それから時が経過し、2度目の大学院@海外を受験する為にIELTSの学習を開始したときに改めて自分の発音を意識する様になりました。それは、スピーキングの試験で発音が原因でスコアが下がっている可能性が高いと、当時通っていたPlusOnePointという学校(詳細については別記事でご紹介しています。→◆大学院留学-おすすめのIELTS対策(オンライン・オフライン講座))で指摘を受けたことがきっかけでした。当時、私のスピーキングのスコアは3回受験して3回とも6.5(大学側が最低限求めるスコアも6.5)といった感じでした。講師からは、7.0位取れそうな力はあるが、試験官に依っては以下の点から6.0に落ちる可能性もあるとのことでした。(その他に、口語ではなく文語的で堅い表現を使っているとの指摘もありましたがここではその点は割愛します。)
・所々そもそもの発音が間違っている単語がある
・thinkなどの「th」やstartなどの「a:r」の発音が出来ていない
・全然関係ない所で「r」の発音が混じっていたりする
・ストレス・アンストレスがない(抑揚がなくてフラットな喋り方) etc…
また、ちゃんと出来ているときもあれば間違いが物凄く目立っているときもあるようです。その時は目標スコアも取れているし、不足しているライティングにだけ集中しようと余りに気に留めませんでした。所がそれ以降のIELTSの試験でスピーキングのスコアが6.0と6.5のスコアを行き来し安定しなくなります。(しかも6.0の方が頻度が多い。)落ち着いて個別に単語を発音する分には正しく発音出来ているそうですが、会話になると乱れる様でした。ただ、染みついた発音の癖などは中々抜け切ることもなく、時間も無かったので、thinkはsupposeなど正しく発音出来る別の単語に代替する、なるべくこもらせないではっきりと発音する様に心掛け、最終的にはなんとか7.0まで取得出来ましたが、今一つ上達した実感はありませんでした。そして、そのまま英国での留学生活に突入し、先に記載したような事態に直面することになりました。
2.英語発音の学習方法(ドクター・D・イングリッシュとの出会い)
そんなこんなで、状況打破のためにYouTubeなどで英語の発音関連の動画を焦っていたときにある動画(以下)に出会います。
動画では、ちゃんと聞き取って貰える英語を話すコツの一つは、英語を話すリズムを身につけるということを説明しています。これは発音のストレス・アンストレスを意識して話すということなのですが、そもそも私が英語のストレス・アンストレスを良く分かっていなかったということを認識させてくれた内容でした。私は今迄、ストレス・アンストレスを音の強弱、つまり大きな声で話すことと小さな声で話すことだと思っていました。しかし、どちらかというと音の強弱というよりかは、発声にかかる時間の長短の違いだということに気付かされました。
動画の中でも説明がありますが、日本語はSyllable-timed Languageで音節で区切ってリズムを取る言語で、英語はStress-timed Languageと呼ばれ、会話文中のストレス部分でリズムを取る言語です。
例えば、日本語で「はじめまして」という単語を発生するときには、「は・じ・め・ま・し・て」という様に5つの音節で発音されます。ここで言いたいことは、「は・じ」の様に音節で区切って発声されているというよりは、一つの音節を発声するのにかかる時間が一緒ということです。「はじめーまして」の様に間の「めー」だけが敢えて長く発声されることはないということです。
他方で、英語はストレス部分でリズムを取って発声される言語です。以下の3つの文書をぱっと見た時に、下から順に読むのにかかる時間は長くなっていきそうですよね。だって、単語数は3語→5語→7語と増えていっているので。
Kids play ball.
Kids are playing the ball.
Kids have been playing with the ball.
しかし、実際には3つの文ともKids、play、ballをストレスとしてリズムを取ることで全て3拍子で発声することができます。(黒字部分がアクセント)ストレス部分が長く発声され、それ以外のアンストレス部分が短く発声されます。結果的に長く発声される部分は強く、短く発声される部分は弱く発声されることで音の抑揚になります。
Kids play ball.
Kids are playing the ball.
Kids have been playing with the ball.
(↑読むのにかかる時間は全て3拍子!)
英語は会話文の中で、重要な部分にストレスを置きリズムをとりながら話す為、日本語の様にシラブルでリズムをとりフラット(音の長さが一定)に話すと、話し手がどこを重要な部分としているのかが分かり難くなります。これが日本語発音が聞き取れにくい原因の一つだそうで、意識的に頑張ってリスニングしないと聞き取れなくなり、聞き手にとってもストレスになってしまうそうです。
私にとって、この動画との出会いは目から鱗で、色々と調べてみるとドクター・D・イングリッシュという英語発音専門スクールのトレーナーの方の動画で、この他にもスクール創業者の頓田さんという方が、発音に関連する動画を数多くだされており、それらを見て「あ、これは凄そうだぞ、いつか受講したい!」と思ったのがドクター・Dとの出会いでした。そして、大学院のTerm2がほぼ終了したタイミングでコロナによって大学が閉鎖、日本へ一時帰国で2週間の隔離生活をしなければならなくなったことをきっかけに受講を開始します。
3.ドクター・D・イングリッシュの学習内容
それでは、ドクター・D・イングリッシュで実際に扱うカリキュラムについてご紹介します。大まかには以下の8つの項目を計10回のトレーニング(1回50分)で完了するといったイメージです。
- フォニックスで英語のスペルと発音の基本的な関係性を押さえる
- 3種類の母音(æ、a、ʌ)の発音の仕方を押さえる
- 5種類の子音(摩擦音・破裂音・鼻音・側音・半母音)の発音の仕方を押さえる
<ボイストレーニング> - ブレスフローを安定させる(英語は日本語と違って、ある程度の文章の塊を息を切らさずに発声する為、その為の息遣いを練習します)
- ボトムエリアに落とす(英語はストレス部分からアンストレス部分に移行する際に、脱力して喉がカラカラと鳴るエリアまで落とします。そうすることでアクセントが確りと浮き出た英語らしい発音になるそうです。)
<リズムトレーニング> - 前述の例に挙げたストレス部分でリズムを取る感覚を見つける
- シラブルにして単語と単語のリンキング(音の繋がりによる変化)を押さえる
<復習> - 上記の内容をテキストの会話文やTEDなどを題材に練習する
所々、イメージが湧きにくいトレーニングもあると思うので、以下にドクター・DのYouTubeの動画を掲載しますので、確認してみて下さい。
如何でしたでしょうか?私にとってはどれも今迄意識したことが無かったものでしたが、読者の方も内容に興味を持って頂け、抱えている発音の悩みの解消に少しでも役立てば幸いです。次回は、実際にトレーニングを受講してみた感想と受講後の発音の変化について音声付きでご紹介する予定です。
⇨次の記事を読む!(英語の発音 – 後編)
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