今回はIELTSのライティング対策(6.5以上を取得する方法)についてご紹介します。
【目次】
1.IELTSライティング-難易度
2.IELTSライティング-試験概要
3.IELTSライティング-タスク1の対策
3.1 タスク1の構成
3.2 タスク1の纏め方
3.3 タスク1の注意点
4.IELTSライティング-タスク2の対策
4.1 タスク2の構成
4.2 タスク2の注意点
4.3 タスク2の回答例
4.4 タスク2の学習方法
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1.IELTSライティング-難易度
日本人の英語力は世界的に見ても低い方と言われますが、IELTSスコアについても同じ傾向が言えます。以下が2018年の日本とドイツ(英語を母国語としない国でトップスコア)のIELTSスコアの平均点です。日本人のOA5.8点に対してドイツのOAは7.5点もあります。IELTSのOAを0.5点上昇させるのに平均で3か月程度の時間(週20時間程度を学習にあてた場合)を要すると言われているので、ドイツのOAに追い付くには1年近くの期間を要することとなります。
そんな中でも、最もスコアギャップが小さいがライティングです。平均で7.5以上のスコアを誇るドイツでもライティングに関してだけは6.6と唯一7点を切っています。これは、ライティングが一番高スコアを取り難いということを示しています。
一方で、イギリスのトップティアの大学院で求められる最低限必要なスコアは6.5~7.0以上です。私が応募したコースも、OA7.0以上、各科目6.5以上のスコアが求められました。私が2018/10月に初めて受験したIELTSではリーディングとリスニングは既に目標スコアを取得出来ており、2019/2月の2回目の受験でスピーキングも6.5を取得し、残りはライティングのみでした。ライティング自体も6.0のスコアが取得出来ていたので後少しだと高を括っていたのですが、結局かなり苦労して2019/8月に6.5を取得することが出来ました。
9月末から授業が開始しそれまでにビザを取得することを考えると、かなりギリギリのタイミングでの取得だったことが分かるかと思います。ゴールデンウイーク中に毎日勉強して受けた試験でも結局6.0しか取得出来ませんでした。平日は仕事が忙しく、中々勉強時間を確保することが出来ず、夜の12時頃から1時間、朝6時から2時間、お昼休憩で30分、通勤時間の電車内で30分、計4時間を捻出して勉強しましたが、逆に土曜日の試験で寝不足で集中出来ないという本末転倒ことをやってしまっていました笑…
このままでは絶対にスコアが取得出来ないと思い、勤めていた会社に退職の意思を伝え、6月からはスコア取得だけに集中できる環境にはなりました。別記事(◆大学院留学-おすすめのIELTS対策(オンライン・オフライン講座))でも紹介しているPlusOnePointというIELTS専門のオンラインスクールの授業も活用し、それでもギリギリでの取得でした。(留学するので辞めますと息巻いた中、ただの無職になりそうだったので内心かなり焦っていました笑。)
前置きが長くなってしまいましたが、それだけIELTSのライティングで高得点を出すのは難しいということをお伝えしたかったということです。それでは、試験概要について確認していきましょう。
2.IELTSライティング-試験概要
そもそもIELTSの試験はGeneralとAcademicという2種類が存在し、それぞれで試験内容も異なりますが、今回はAcademicの前提で以降の話を進めます。以下がAcademicライティングの試験概要です。
試験時間:60分間
試験内容:
タスク1(与えられた図表などについて 150文字以上で説明)
データなどの特徴を確りと捉え、簡潔に記述する能力が求められます。ここでは自分の意見などは記載せず、客観的な説明のみが求められます。
【タスクの種類】
①地図の説明
②グラフ(円・棒・折れ線グラフ、表)の説明
③プロセス図の説明
タスク2(与えられたお題で250文字以上のショートエッセイを作成)
課題に対する考えについて賛成・反対などの自身の意見を述べながら論じていくことになります。
【タスクの種類】
①両論を併記するタイプA
このタイプのタスクは両方の考え(視点)について併記するタイプの問題です。
e.g.
Discuss both views(+ and give your own opinions)
Discuss advantageous and disadvantageous
②ポジションを決めて論ずるタイプB
基本的にはポジションを決めてワンサイドで書きます。両方のポジションを書いても良いのですが、エッセイ全体の首尾一貫性(CC)を持たせる為にワンサイトで書くように心掛けましょう。但し、「Do you think advantages outweigh disadvantages」の様に問題文の中で比較を求めているものについては、Body1・2で両方の考えを比較する様に書きます。
e.g.
(To what extent) Do you agree or disagree with this opinion?
Do you think it is a positive or negative development?
What are the positive and negative developments for ~?
Do you think the advantages of it will outweigh the disadvantages?(※比較が必要)
③質問が2つ存在するタイプC
問題文に明確に2つ質問が存在するので判断はしやすいです。Body1・2でそれぞれの質問に回答するという構成をとります。例えば、Cause & Solutionというタイプの問題を見てみましょう。
「Nowadays people waste a lot of food that was bought from shops and restaurants. Why do you think people waste food? What can be done to reduce the amount of food they throw away?」
一つ目の質問ではなぜ人々が食料を無駄にするのかの原因を聞かれています。2つ目の質問ではどうすれば食品廃棄の量を減らすことが出来るのか聞かれています。
e.g.
Cause & Solution(問題の原因とその解決策について論じる)
Cause & Effect(ある事象の原因とその影響について論じる)
Effect & Solution(ある事象の影響とその解決策を論じる)
Cause & Trend(あることの原因とそれがポジティブか否か論じる)
Agree / Disagree & Giving an idea(賛成か反対か+αの質問を論じる)
採点項目:
タスク1・2共に以下4つの評価項目に分けられます。
①TA / TR(Task Achievement / Task Response)
⇒聞かれたタスクに応えられているか
②CC(Coherence & Cohesion)
⇒文章の首尾一貫性があるか
③LR(Lexical Resources)
⇒適切に語彙が使えているか
④GRA(Grammatical Range & Accuracy)
⇒文法は正確に使えているか
3.IELTSライティング-タスク1の対策
タスク1の対策は至ってシンプルです。
◆タスク1は必要最小限の努力を!
タスク1の対策方法について紹介していきますが、ライティングで6.5~7.0を目指す場合には、基本的に必要最小限の努力で取り組みます。その理由はライティングの採点のされ方にあります。
良くIELTSのライティングはタスク1とタスク2が1:2の比率で採点されたものが最終的な得点になると書かれている記事を見かけたります。(実際に私もそうだと思っていました。)
実際は換算表(※PlusOnePointというIELTS対策専門の学校が書いている記事より)によって計算されます。これに基づくと、タスク2のスコアがライティングの必要スコアと同一だと仮定した場合、タスク1のスコアが「タスク2のスコア±1.0」の範囲内であれば、タスク2のスコアがそのままライティング試験全体のスコアになるということです。
例えば、ライティングで6.5を取得したい場合は、タスク2で6.5を取れれば、タスク1は5.5のスコアがあれば十分だということです。逆にタスク2で6.0だった場合は、タスク1で7.0のスコアを取得しないと6.5にはならないということです。
よって、タスク1では時制などのミスをせずに、淡々とグラフなどからの読み取れる特徴を書き、なるべく15~18分程度の時間で書き終えることを目標とします。私はこのことを知る迄は、タスク1に20分~25分程度かけてしまっており、タスク2が終わるのがいつもギリギリでアイデアを推敲する時間が殆ど取れていませんでした。タスク1は5.5の頑張りで良いんだと知ってから時間配分については大分余裕が生まれる様になりました。
3.1 タスク1の構成
以下の様な3つのパラグラフに分けて書くのが基本となります。
①Introduction+Summary
課題の文章を書き換えた1文と全体の特徴に関して纏めた1文を記載します。(なので2文構成です。)例えば、
「The two pie charts below show the changes in annual spending by a particular UK company in 1980 and 2000.」
という問題 であれば、
「The two graphs illustrate how a certain company in the UK spent its money in two separate years of 1980 and 2000.」
といった形で、単語や文章の構成(能動態から受動態など)を変えるだけです。そこに、
「Overall, salaries and insurance for employees were the major expenditures in both 1980 and 2000.」
と全体の傾向を表す1文を述べるといった具合です。
②Body1
1つ目の特徴について述べます。全体の傾向を述べる文章で書き始め、その後に数値などを交えて具体的な変化の説明を行います。
③Body2
2つ目の特徴について述べます。書き方としてはBody1と同じです。構成としては、冒頭にIn cntrast, やOn the other hand, の様に対比をする表現を使って書くと、どんな違いがあるのかが明確になります。
※基本的には4つのパラグラフで構成しますが、問題によってはBody3があった方が纏めやすく、5つのパラグラフで構成する場合もあります。
3.2 タスク1の纏め方
とにかく、上手く2つのグループに分けることが出来ないかを考えます。
例えば、数字の変化があるグラフや表であった場合は、数値が増加・変化無し・減少の3つに必ず分けることが出来ます。Body1で増加しているものについて説明し、Body2でその他のものについて説明すればこれで2つのBodyが完成です。時点の開始と終わり、最高値と最低値について触れたり、対比をしながら説明すれば書きやすいです。
数字の変化が無い場合についても、他の要素で分けることを考えましょう。例えば、男女のデータが与えられていれば、男性と女性でそれぞれのBodyを作ることが出来ます。変化が無いということは、基本的には時間軸が無い(ある時点のスナップショットのデータ)である可能性が高いので、数字の大小でグループ分けするか、それ以外に与えられた要素で分けることを検討しましょう。
地図については、過去と現在(或いは未来)の2時点が対比された様な出題のされ方が多いので、時間でグループ分けするのが書きやすいです。なお、プロセス図は工程について適当な所でパート分けして、全ての工程について触れる様にして書きます。(でないと字数が足りなくなることがあります。)
3.3 タスク1の注意点
以下の点に気を付けましょう。(前述の通り、6.5を目指す上でタスク1は省エネで大丈夫です。)
- 自分の意見は絶対に述べない。(=I, We, Youなどを主語に用いない。)
- 数字の単位を注意する。
- 時制に注意する。
- 省略形(don’t, cant’tなど)を使わない。
- 10以下の数字はスペルアウトする。(5×⇒five〇)
※太字表記の所はタスク2でも共通して注意した方が良い点です。
4.IELTSライティング-タスク2の対策
ここでは、タスク2で6.5以上の点数を取ることを意識した対策を示します。これらの点 (かつ後述のタスク2の注意点も) を意識することで、TR(6 or 7)、CC6、LR7、GRA(6 or 7)をとり6.5以上の取得を目指します。
◆プランニングに確りと時間をとる!
プランニングとはエッセイを書き始める前に、どの様なエッセイの構成にするのかを考えるというものです。ライティングの試験を受け始めた頃は、プランニングを全然せずに、何となく頭の中でこう書こうとイメージした段階でそのまま書き始めていました。これだと書いてる途中で議論の展開がおかしいことに気づいて書き直したり(または気付かないでそのままにしてしまう)と時間が余計にかかったり、回答用紙も汚くなったりと良いことはありません。それよりも、書き始める前にプランニングの時間を確りと取ることで、論理的な文章を書くことが出来ます。
プランニングにどれだけ時間を割くかは人それぞれですが、最低でも10分位は時間を割いた方が良いです。私は大体15分位をタスク2のプランニングに割いていました。タスク1が凡そ18分、タスク2のプランニングで15分、書くのに22分、全体の見直し5分といった時間配分で解いていました。プランニングする前はそんな時間あるのかと半信半疑でしたが、プランニング無しの場合は書きながらアイデアを考えるので書くスピードが遅かったり、書いてる途中で消してリライトするということが起きるので何だかんだで時間がかかります。その時間を事前のプランニングにあて、バッチリとアイデアを構成を固めた上で書き始めれば、思ったよりも書ききるのに時間はかかりませんでした。
プランニング自体は英語で書いても、日本語で書いてもどちらでも構いません。ただ、個人的には最初は日本語で書くことをお勧めします。なぜなら、日本語で考えているときと英語で考えているときで、普通の人は前者の方が論理的思考のレベルや精度が高いと考えるからです。代わりに、日本語でプランニングする場合は、英語っぽい日本語で書くように心掛けると、その後に英文を書く際に書きやすいです。
◆トピックセンテンスを確りと書く!
トピックセンテンスは各Bodyの冒頭の一文を指します。ここでは、そのパラグラフにおける「議論の方向性」と「自分の回答(メインアイデア)」を記載します。
例えば、タイプA(両論併記)のタスクで、「子供の行動は両親や教師によって厳しく監督されるべきか否か」というテーマが与えられた場合を考えてみましょう。仮にBody1で子供の行動を監督すべきではない(=自由に育てるべき)という意見を書こうとした場合のトピックセンテンスは以下の様なイメージです。
Some people state that children should be allowed to grow up freely because it cultivates their independence.
前半のSome peolple ~ freely までで議論の方向性を示しています。(ここでは、「ある人達は子供が自由に成長するのを許容すべきだと述べている」という方向性を示しています。)そして、because以降でなぜその議論の方向性が成り立つかの理由(メインアイデア)を示しています。(ここでは、「子供の自立心を育てることが出来るから」というのがメインアイデアです。)
トピックセンテンスがパラグラフの冒頭で確りと述べられることで、読み手としてもパラグラフ内でどの様な方向性・アイデアで話が展開されていくのかのイメージが持てます。
トピックセンテンス=「議論の方向性」+「自分の回答(メインアイデア)」
で構成されると覚えておきましょう。
◆慣れないうちはテンプレートを使い、徐々に利用を減らしていく!
テンプレートの使用については色んな意見があると思います。テンプレートを使って高得点を取れたという人も知り合いにいましたし、一方でテンプレートを使っては6.5以上のスコアを取ることは難しいという意見もあります。個人的には、最初はテンプレートを(正しく)使って、慣れてきたら徐々にテンプレートに頼らずに書ける様にするというやり方をお勧めします。
私自身は最初はテンプレートをがっつり使っていました。(しかも間違った使い方で笑・・・)前述の通り、タスクにはいくつかの種類が存在する為、一つのテンプレートで全てのタイプの問題に通用することはありません。なので、タスクに合っていないテンプレートを使ってしまっていました。(これではスコアは取れません。)テンプレートについては、こちらのサイトで詳しく紹介されていますので、確認してみて下さい。
4.1 タスク2の構成
以下のような4つのパラグラフに分けて書くのが基本となります。
①Introduction
エッセイの背景、課題を書き換えた一文、自分の立場の3文構成です。目安としては25~40語程度です。
②③Body1・2
大まかに、トピックセンテンス、(メインアイデアの)説明、(メインアイデアを補強する)具体例、ショートコンクルージョンの4つのパートで構成します。構成例としては、メインアイデアを説明するのに一つの観点だけでは話が広げられないときは2つ目の説明を入れてBodyを構成します。ただ、どの様な構成でも各Bodyで大体6文程度、90~100語を目安とします。
Bodyの構成例:
トピックセンテンス(1文)、説明①(1文)、具体例①(1文)、説明②(1文)、具体例②(1文)、ショートコンクルージョン(1文)
トピックセンテンス(1文)、説明①(2文)、説明② (1文) 、具体例②(1文)、ショートコンクルージョン(1文 )
トピックセンテンス(1文)、説明(1文)、具体例(2文)、ショートコンクルージョン(1文)
前述の通り両論併記するタイプAのタスクは、Body1・2でそれぞれの考えについて記載します。ポジションを決めて論ずるタイプBの場合は、Body1・2共に自分の立場を記載する様にします。比較が要求される場合は、Body1で反対の意見、Body2で自分の意見(Body1の意見をひっくり返す様な形で)を記載します。タイプCではそれぞれの質問に対して各Bodyで回答する形を取ります。
④Conclusion
Bodyの纏め(自分の立場をもう一度)を2文程度で記載します。目安は25~40語程度です。
4.2 タスク2の注意点
タスク2の注意点はタスク1と比べると結構あります。ただ、それだけ点数に影響し、かつやりがちな行為が多いということです。これらの点に確りと注意してエッセイを書ける様に習慣化させることで、読みやすく確りと問いに答えられている文章になります。
- センテンスが進んだら議論も進んだかどうかを確認する。
- 議論の飛躍がないかを確認する。(自分が理解できる基準で考えない。)
- なるべく一文ごとにタスクを確認する。(タスクに全て答えているか。)
- センテンス内のフレーズ(句)の数を最小限にする。(長くて1文25語程度。)
- トピックセンテンスが各Bodyに確りと記載されているか。
- トピックセンテンスの中でタスクのViewを変えていないか。
- Bodyの内容がメインアイデアと全く関係がない(大きくずれている)ものを記載していないか。
- 主語を大きくしすぎない。
- 不必要な関係代名詞を使わない。
- lead toやcontribute toなど婉曲表現は使用して全体で1~2個に留める。
- 定型文的なものはなるべく削り、シンプルに記載する。
- 意見も名詞で記載すると抽象的になりがちな為、誰がどうするという文章で記載する様に心掛ける。
- 単語・ストラクチャーの重複は避ける様に心がける。但し、重複を避けるよりも、まずは適切な単語や正しく書けるストラクチャーを選択する様に心掛ける。
- 一人称(I、Weなど)を具体例以外では用いない。
- 名詞を繰り返さない。(文脈上明らかな情報を繰り返さない。)
- 長い文章を書いたときは、①一つの文章にする必要があるか、②意味の重複がないか、③議論に不要な表現が使われていないか、④文法ミスがないかを確認する。
4.3 タスク2の回答例
タスク2の問題に、前述のポイントを踏まえて実際に回答する例をご紹介します。
例:タスク-ポジションを決めて論ずるタイプB
Some claim that sending criminals to prison is not an effective method of dealing with them, and education and job training should be replaced them. To what extend do you agree or disagree with this opinion.
「犯罪者を刑務所に送るのは更生させるに効果的な方法ではなく、教育や職業訓練で大体すべきだと主張する人達がいます。この意見にどの程度賛成或いは反対ですか?」
まずは、課題を確りと読みどのタイプに分類できるタスクかを見極めます。この問題は自分のポジションを決めて論ずるタイプの問題ですね。よって、この時点で2つのBodyの構成はどちらも自分の意見が来ることが分かります。(両方の意見について触れることも出来ますが、前述の通り議論の首尾一貫性を意識するとワンサイトで書いた方が良いです。)
次に自分のポジションを決めてプランニングに入ります。ここでは賛成・反対のどちらのポジションをとっても問題ありません(どちらが正解ということはない)。大切なのはそのポジションでBody内で論理的な議論を展開できるか否かです。どちらのポジションがアイデアが出しやすそうかを軽くプランニングで考えてから決めても問題ありません。
ここでは、タスクの主張に100%賛成するポジションをとってプランニングします。収監するよりも教育や職業訓練を与えるべきだという主張に賛成しているので、Bodyでは投獄よりも、教育や職業訓練の機会をなぜ与えた方が良いと考えるのかを書いていくこととなります。
【プランニングの例】
Body:犯罪者には職業訓練の機会を与えた方が良い
(①TS=議論の方向性+メインアイデア)第一に、職業訓練を提供することは、投獄するよりも良い解決策です、なぜなら彼らは幅広い知識やスキルを得ることが出来るからです。(②説明)再犯者は仕事が見つけられずにしばしば犯罪を犯してしまいます。そして、専門性は人々が職を得る上で必要不可欠な要素です。(③具体例)例えば、日本では政府が犯罪者にパソコンの使い方などのビジネススキルを学ぶ機会を提供し始めました。その後、再犯率は劇的に減少しました。(④SC)この様に、職業訓練は犯罪者を社会の良き一員に再びさせることが出来ます。
TS(トピックセンテンス)
SC(ショートコンクルージョン)
まず最初にトピックセンテンスを考えます。ここでは議論の方向性とメインアイデアを書く必要がありますが、議論の方向性自体はポジションが定まってしまえば自動的に決まります。今回は賛成しているので、「職業訓練を提供することは、投獄するよりも良い」というのが議論の方向性ですね。そして、その方向性を指示するメインアイデアが「職業訓練によって犯罪者が様々な知識やスキルを得ることが出来る」というものを選びました。
次にメインアイデアを説明して議論を展開していきます。ここでは、「犯罪者が仕事が見つけられずに再犯する傾向があること」、そして「仕事を得るには専門性が必要不可欠な要素である」という議論を展開しています。
そして、メインアイデアの説明を更に補強する具体例を示します。ここでは、「日本政府がパソコンの使い方などのビジネススキルについて学ぶ機会を提供した結果、再犯率が劇的に減少した」という例示をしています。
ここで、説明や具体例の厳密な正確性・確からしさはそこまで気にしなくて良いです。(明らかにおかしいと分かる様なものでなければ。)実際に大学で書くエッセイでは必ずReferenceをのせて、その主張の根拠やデータの確からしさを示す必要がありますが、IELTSではそこまでは求められません。
最後にショートコンクルージョンを書いて、1つのBodyを締めます。「職業訓練が犯罪者の構成に効果がある」ということに再度言及して締めくくっています。
【回答例】
Introduction:
In recent years, crime rates are increasing rapidly. Some may argue that sending offenders to prison is not effective to make them a sensible person, and providing education and job training is more effective methods. I completely agree with this perspective.
(41語)
Body1:
Firstly, providing opportunities of education is a more effective way than imprisonment because it can cultivate their moral sense. Criminals may not have received sufficient moral education at schools and home before they carry out wrongdoing. Therefore, they cannot distinguish between the right and wrong and tend to commit a crime. Moral education enables them to learn the importance of life and being kind to others. They will be able to make an appropriate decision by themselves through receiving moral education. Thus, it is a better method for rehabilitation of offenders.
(91文字)
Body2:
Secondly, providing job training is also a better solution than imprisoning offenders because they can gain a wide variety of knowledge and skills. Repeat offenders often tend to commit a crime because they cannot find jobs, and expertise is a vital factor for people to obtain jobs. For example, in Japan, the government started to provide criminals with opportunities to learn business skills such as how to utilize computers. After that, reoffending rates decreased significantly. In this way, job training enables criminals to be a good member of the society again.
(91文字)
Conclusion:
To sum up, I believe that providing both moral education and job training exceeds imprisoning criminals in order to make them better citizens again. These enable them to make a right decision and obtain financial stability.
(36文字)
4.4 タスク2の学習方法
最後にタスク2の学習方法についてご紹介します。色々な学習方法を試し、紆余曲折しながら最終的に6.5を取得出来ましたが、振り返ってみると本当にやらなければならないことはそんなに多くなかったなと思います。
①タスク2で良く用いる表現の正しい使い方を確認する。
当たり前に使っているものの、実は正しく使えていない表現が結構あったりするものです。私がライティングの勉強を始めたときは、使い方を誤って使用している表現が結構あり、それが語彙や文法の評価にマイナスに響いていました。例えば、such as~「~の様な」という表現が挙げられます。
vegetables such as A and Bの様に使われますが、ここでAとBには野菜の具体例が来ます。つまり、such as~では最初に述べた事柄を細分化した例が続きます。こういった頻出の表現の使い方を今一度確認することで、LRとGRAにプラスに働きます。
②タスクテーマに合わせた語彙を習得する。
例えば、先程の犯罪というテーマであれば、
犯罪者 offender, criminal
再犯者 repeat offenders
再犯率 reoffending rates
犯罪を犯す commit a crime
投獄する imprison
投獄 imprisonment
更生 rehabilitation
という語彙を知っていた方が、エッセイのテーマに即したワードチョイスで文章を書くことができ、LRにプラスに働きます。
③テンプレートを確りと全パターン覚えて使える様にする。
こちらは前述の通り、タスクに合わせた全パターンのテンプレートをまず覚えて使える様にしましょう。そして慣れてきたら、徐々にテンプレートの使用を減らしていきましょう。テンプレートを使用することで、エッセイの基本骨格をすぐに決めることができ、文章を書く時間の短縮につながり、より多くの時間をプランニングに使うことが出来ます。そうすることで、TRやCCにもプラスに働きます。
④プランニングの練習を様々なテーマで行う。
最初は英語にしなくても良いので、タスク2の様々な問題タイプ・テーマでプランニングする練習を行いましょう。そうすることで、プランニングでまずエッセイを構成することに慣れますし、徐々にスピードや精度も向上してきます。何より、IELTSのライティングタスク2のテーマは幅広く、自分が全く関心のないテーマが出題される場合もままあります。そんな時にフリーズしてしまわない為にも、様々なタイプの問題に触れてまずはアイデアだけでも練っておくのは、エッセイを書く良い準備にもなります。
⑤プランニングした内容に沿ってエッセイを書く。
実際に英語で書いてみましょう。この時に、最初は時間は余り意識せずに辞書なども使いながら、自分の中で納得のいく英文を書く様にしてみて下さい。そうすることで、自然と語彙も増えてきますし、自分の中でちゃんとした英文が書けているかの意識も芽生えてきます。
⑥定期的に採点して貰う。
とはいえ、辞書を使ったりしてどんなに時間をかけて書いても、それが本当に目標スコアに到達する文章なのかは分かりません。よって、外部の添削サービスを使って定期的にスコアリングして貰いましょう。色々なサービスが存在しますが、私のお薦めは過去記事でも紹介したPlusOnePointというオーストラリアにある日本人が経営しているIELTS専門の学校です。
如何でしたでしょうか?ネット上に様々ある記事や、書籍、IELTSの対策を提供している学校の授業などを様々受講した結果、本当に効果があったものが本記事で記載している内容です。本記事で書いてある学習法を取り入れて是非ライティング6.5を突破してください。
なお、タスク2で確認した表現や幅広いテーマでのBodyのアイデア集を別記事で纏めています。こちらも合わせてご活用頂ければ幸いです。
◆IELTS対策(ライティングで6.5を取得する為の表現・アイデア集)
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