大学院留学-イギリスの大学院に留学する際の費用

留学する上でネックとなるのがお金。どの程度の資金が必要で、どんな決済手段があるのかをご紹介します。

イギリスの大学院に1年間留学する上で、どの程度の資金が必要で、またどんな決済手段があるのかをご紹介します。

【目次】
1.留学費用の内訳
2.おすすめの決済手段
3.まとめ

【関連記事】
・大学院留学 -英国ビザ(Tier4 VISA)の申請
・大学院留学 -留学先の見つけ方
・UCL大学院留学 -イギリスの大学院受験に必要な準備
・社会人も利用できる海外留学奨学金

 

1.留学費用の内訳

人によっては他にも色々あると思いますが、以下が代表的な費用項目と考えられます。

①学費:£15,000~35,000
これが留学費用の中で一番大きなウェイトを占めるといっても過言ではないと思われます?私の場合も総額で£29,700(≒当時のレートで380万円程度)かかりました。但し、私はビジネス系の専攻だったこともあり高額でしたが(MBAはもっと高いです…)、他の専攻であれば£20,000前半という感じでした。また、大学によっては学費が£2万を切る所もあったので自分が学びたい専攻と予算の兼ね合いで丁度良い大学が無いか色々と調べるのが良いと思います。

②家賃:£4,800~19,200/年
次に高額になるのが家賃です。正直、イギリスは東京と比べて家賃がだいぶ高い様に感じます。ある程度ちゃんとした所に住もうとすると、ロンドン市内であれば大抵は£800/月(£200/週~)以上はかかってしまいます。郊外でシェアハウス(寝室のみ個室でトイレ・バス・キッチンなどは共有)を選択すればもう少し価格を抑えることも可能です(£100/週~)。一方、大学が中心部にある場合は電車等での交通費が発生しますので、結果的に交通費を加味すると割高になる可能性があります。また、including bills(光熱費等は込み)かexcluding bills(光熱費等は別途請求)も重要ですので、良く確認した方が良いです。

費用や立地を勘案すると、やはりお薦めは大学の寮か大学が紹介してくれるStudent Accommodationです。私は大学のキャンパスから徒歩15分の距離で£570/月(including bills)とかなり格安の物件を見つけることが出来ました。

③交通費:£800~1,600/年
ロンドンは結構交通費が高いです。Zoneを複数またぐ場合は、30分位の距離でもZoneによっては片道で£6もかかったりもします。そこで便利なのがOyster Card(オイスターカード)です。これはロンドン版のSuicaやPASMOで、電車やバスに乗車・下車する際にタッチすることで運賃の精算が可能です。こちらを利用することで、現金で切符を購入するよりも半額程度安くなり、また一日の上限金額が設定されている為、多く電車に乗った日でも決まった金額以上は費用がかかりません。

更に、学生であれば顔写真付きのStudent Oyster Cardを発行することが可能で、こちらは更に30%のディスカウントが受けられます。オンライン(下記リンク)で申し込みができ大学から在学していることを確認して貰う必要があるので、入学後に取得することが可能です。早ければ申請して1週間以内には手元に届きます。なお、顔写真をデータでアップロードする必要があり、証明写真のデータをPCに入れておいた方が良いです(意外と審査が厳しく、パスポートの顔写真を携帯で撮ったものだと弾かれてしまいました)。

◆オイスターカードと現金の料金比較
https://www.london-ryugaku.com/o_card/
◆Student Oyster Cardの申し込み
https://tfl.gov.uk/fares/free-and-discounted-travel/18-plus-student-oyster-photocard

④食費:£1,700~6,000/年
人によってばらつきが多い項目かと思いますが、普通に外食をしてしますとやはり高くついてしまいます。どこで食事をしても大体£5~10/食はかかってしまいます(これでも結構安い方です)。パブで飲むビールも£5.5/杯くらいする為、日本で生ビールが200円/杯で飲めたりしたことを考えると3倍以上します。

よって、やはり現地スーパーなどを活用しつつ自炊を取り入れることで節約しないと£150/週くらいは平気でかかってしまいます。以下が私が実際に留学する上で参考にした主なサイトです。物価が高いイメージのロンドンですが、パンやパスタなどは日本よりもずっと安く、またビールもスーパーで箱買いするとかなり安いです(ものによっては£0.4/本程度)。また、外食でもパイ(£0.8~2.0)などは意外と安かったりするので、パサパサのサンドイッチを買うよりは断然お勧めです笑。

◆イギリスのスーパーの比較
https://tamipote.com/uk-supermarket-chain
◆イギリスでの食費節約術
http://watapon-f1.com/food-saving-in-uk/
◆イギリスの100均Poundland
https://tripnote.jp/united-kingdom/poundland-souvenir

⑤留学保険:15万~30万円/年
留学保険は色々な所がサービスを提供しているので自分が求める保障に応じた保険を契約する必要があります。但し、大手の保険会社については料金も比較的高めですし、契約内容についても余り柔軟に変更することが出来ないものが多いです。そんな中でお薦めの保険がt@biho(たびほ)です。かなり細かく契約内容を選択出来る為、料金もかなり抑えることが出来ます。

◆t@biho(たびほ)
https://tabiho.jp/tb/

⑥ビザ取得費用+IHS:£1,020/年
英国でTier4 Student Visaを取得(優先審査を利用)し、かつイギリスに6ヶ月以上滞在する非EEA国籍者が、イギリス国内の国営医療サービスを利用する為に支払う保険料となります。年によっては金額の改定がある為、実際にいくらの費用がかかるかは都度確認が必要です。

◆英国学生ビザの取得
https://www.englishpedia.jp/blog/england-study-abroad-visa
◆IHSとは…
https://www.affinity-japan.com/news/yms_ihs_2019/

⑥その他(携帯料金等):£500~1,700/年
携帯料金は利用するキャリアにより価格が異なってきますが、価格と利便性を考えると、他の方もコメントされている様に、個人的にはgiffgaff(ギフギャフ)の一択でした。私は£10/月のプラン(データ利用6G、国内通話無制限、テキスト無制限)を利用しておりますが、今のところ問題無く快適に利用出来ています。

従来のキャリアの様に実店舗は殆どありませんが、ネットやスーパー(テスコ)で購入することが出来ます。

◆イギリスの格安SIMカードgiffgaff
https://1ovely.com/giffgaff/

 

2.おすすめの決済手段

為替手数料やクレジットカード手数料、リフティングチャージなど、外貨建ての支払いや送金には多くの手数料が発生します。これらの費用を極力抑えて、効率良く資金決済する方法について紹介します。

①Sony Bank WALLET
日本のモバイルバンクであるソニー銀行が提供するサービスで、日本から留学される方にとっては口座開設は必須といっても過言ではないと思います。

手続きはネットで全て完結し、1週間程度で自宅にキャッシュカード/デビットカードが届きます。その後、Web上のボタン1クリックで外貨普通預金の口座が開設出来ます。口座開設後の2か月程度は円貨から外貨への為替手数料が一切かかりません(TTM(時価)で購入することが出来ます)。一旦外貨にエクスチェンジしてしまえば、VISAが利用可能なお店で決済を全てポンド建てで行うことができ、その際に通常クレジットカードだと発生する手数料も一切かかりません。

口座管理や円貨から外貨へのエクスチェンジもモバイルアプリで全て完結します。本当に便利です。私は127円/£のときにエクスチェンジし、それで大学の授業料も支払いました。当初の想定レートが145円/£で試算していたので、これだけでも数十万円の節約となりました。絶対に都市銀行の外貨送金などは利用しない様にしましょう(無駄に手数料を取られてしまいます)。

◆ソニー銀行 Sony Bank WALLET
https://moneykit.net/visitor/sbw/

②Transfer Wise(トランスファーワイズ)
円から外貨建てで送金する場合、通常は恐らくこれが最も安い手段です。但し、1回の送金金額に上限があり、£建ての場合は現時点で100万円が上限です。私はポンドへの為替手数料が無料で1回の送金で完結できるので授業料は前述のソニー銀行を利用しました。

但し、後述のMonzoにまずポンドを入金する際には、現地での銀行口座が必要となってきます。その際に、こちらのサービスを利用することでモバイルバンクのみで銀行口座の開設を完結することが可能です。

◆トランスファーワイズ
https://transferwise.com/jp

③Monzo(モンゾ)
こちらは英国でモバイルバンクサービスを提供するスタートアップです。35,000人/週のペースで利用者が増加しているそうで、パスポートと英国での住所・電話番号があればものの5分程度で口座開設が出来てしまうという優れものです。キャッシュカード/デビットカード自体は2~3日以内に指定した住所に郵送されてきます。

イギリスでは非接触型のICカードが普及しており、Monzoのカードも都度ピンコードを入力する必要が無く、Suicaの様にかざすだけで支払いが完了します。これで前述のオイスターカードも代替可能です。

※口座開設時の注意点
日本人はマイナンバーを入力する必要があるので、カードを持参するか渡英前に番号は控えましょう。また、携帯の設定によっては最初の生年月日の入力が上手くいかない場合があります。その際は地域設定を”英国”、カレンダーを”Gregorian”に変更することで恐らく解決出来ます。

◆Monzo
https://monzo.com/

④Revolut(レボリュート)
エストニア人の創業者がイギリスで設立したスタートアップです。こちらは8,000人/日のペースで利用者が急増しているそうです。従業員数はMonzoと同程度ですがユーザー数では圧倒的に上回っており、イギリスのモバイルバンクの中で現時点で最も成功している企業といっても過言ではありません。口座開設のプロセスや機能は基本的にMonzoと同等で、Monzo以上に扱える外貨が多く、また為替手数料も無料です。

◆Revolut
https://www.revolut.com/
◆MonzoとRevolutの紹介記事
https://tokyoesque.com/jpblog/monzorevolutstarling

 

3.まとめ

イギリスの大学院に1年間留学する費用は、個人差はあれど平均的に500~700万円程度は必要になってくると思われます。ただでさえ大きな費用負担に決済の手数料が加算されるとなるとお財布にとっては結構な痛手です。少しでもお得に決済する為にも、①Sony Bank WALLET、②Transfer Wise、③Monzo or Revolutの3種の神器はアカウントを絶対に作ることをお勧めします。

【留学にかかる費用概算】 ※135円/£で換算し万円単位で四捨五入。
授業料:£15,000~35,000 =200~470万円
生活費:£8,820~29,520  =120~400万円
保険料:15~30万円
合計:335~900万円

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ABOUTこの記事をかいた人

30代前半の元銀行マンです。(ハンズオン型の)投資家になりたいと考えています。その準備として会社を退職して、2019年9月から英国の大学院(University College London)で1年間Entrepreneurshipについて学びます(遠回りなことしているなと思われるかもしれませんが…)。金融関連や海外大学院留学にあたって得られた知識と、留学期間中に得られた知識の備忘録も兼ねて情報発信していければと思います。 【略歴】私大理系卒(物理学専攻)⇨国立大学大学院卒(社会工学専攻)⇨銀行勤務(M&A、資本政策)⇨グループ証券会社出向(エクイティ・キャピタル・マーケット)⇨英国大学院(MSc. Entrepreneurship専攻)⇨ヤフーギグパートナーの事業プランアドバイザー⇨宇宙系スタートアップのファイナンス担当者(現在)、仲間とボードゲーム紹介メディアBOARDも運営中(https://article.board.fan/)