今回は私が通う、UCLの起業論のコース(MSc. Entrepreneurship)についてご紹介します。
【目次】
1.コースの概要
2.入学時に求められる条件(Entry Requirement)
3.まとめ
1.コースの概要
MSc.EntrepreneurshipはUCL School of Managementの中にある4つあるコースの内の一つで、例年70-75名の学生が在籍するコースです。(今年は例年より多く過去最高の85名の学生がいます。)毎年5名位はPart Time(2年で卒業するコース)の学生がいるそうです。
このコースを通じて、実際に起業経験や現役VC(Venture Capitalist)、Acceleratorとして働いている講師から、起業する為に必要なファイナンスの知識やビジネスモデル、業界の分析手法、リーンスタートアップの考え方などについて学ぶことが出来ます。
1年間でTerm1~3に分けられ、全部で8つのModuleとDissertation(修士論文の作成)を経験することとなります。(以下がModuleのタイトルです。)
Moduleについては今後別の記事で紹介させて頂く予定ですが、非常に体系化されており、毎週出される課題も授業で学んだ手法を即実践させる内容です。(この記事を書いている段階で、Term1の3週間が経過しただけですが、それでもそう強く感じます。)
Term1
①Entrepreneurial Finance
②Building High Impact Venture
③Customer Development and Lean Startup
④Strategic Management
Term2
⑤Managing the Growing Firm
⑥Product Development and Prototyping
⑦Entrepreneurial Marketing
⑧以下3つのModuleから1つのコースを選択
1)Fintech Entrepreneurship
2)Retail & Consumer Entrepreneurship
3)Technology Entrepreneurship
Term3
⑨Dissertation
元々はMSc.Technology Entrepreneurshipという名称のコースだったらしいのですが、現代社会においてTechnologyはビジネスをする上で、一つの特徴として当たり前のこととなったので、Technologyの名称を取ったそうです。School of Managementの中でも、2007年の発足時からある若いながらも歴史のあるコースの一つだそうです。
別の記事でも書きましたが、UCLは非常に中国人の留学生が多いです。この傾向はUCLだけでなくイギリスの他大学にも言える傾向の様で(友人の話を聞く限り)、コース内の50%近くが中国人留学生という所も結構ある様です。実際にSchool of ManagementのMSc.Managementの半数近くは中国人留学生が占めます。一方で、Entrepreneurshipのコースは結構人種の多様性を考慮しているそうで、イギリス人や中国人留学生は4~8名程度の人数がおりますが、他の国籍は基本的には1~2名しかおらず、全部で38カ国のメンバーで構成され非常にdiversityに富んでいます。男女比についてもほぼ1:1でこのことは他専攻と比べても特徴的だとProgram Directorも話していました。
◆UCL MSc.Entrepreneurship
https://www.mgmt.ucl.ac.uk/entrepreneurship
2.入学時に求められる条件(Entry Requirement)
私の受験時(2019/20のコース)は以下が要件でした。
①英語力:
UCLが定める”Good Level”の語学力が求められます。これはIELTSで言えば、Overall 7.0以上、Each Band 6.5以上のスコアに相当します。(詳細はUCLのEnglish Language Requirementのページをご参照下さい。)
◆UCL English Language Requirement
https://www.ucl.ac.uk/prospective-students/graduate/learning-and-living-ucl/international-students/english-language-requirements
②大学の成績:
Minimum of 2:1 honours or equivalent in a relevant discipline(最低でも評価軸で平均60-69%以上のスコア)で卒業していることが求められます。これって大体どれくらいやねん!とツッコミたくなりますが、Warwick大学が日本人向けに以下の様な基準※1を紹介してくれており参考にしました。これを見るとGPAで平均3.0以上は求められていると思われます。(但し、大学毎で考え方やそもそもGPAの計算の仕方も異なるそうなので飽くまでも参考値として扱い下さい。)
【Warwickの基準】※1
A
(UCLでも同じようなサイトがありましたが、Very Good Gradeとしか書いてないので正直どのくらいなのかというのは良く分かりませんでした。)
◆Warwick Overseas Qualifications: UK Equivalent Scores
https://warwick.ac.uk/study/international/admissions/entry-requirements/#j
③その他の書類:
推薦状2通(最低でも1通はAcademic Fieldからのもの)、CV(履歴書)、Personal Statement(志望動機書、1,500word以下)の提出が必要となります。
④その他要件:
・単に関心があるだけでなく、起業に関連する活動を経験していること※2
・2年間の就業経験(但し必須でない)※3
※2 各々がユニークな経験の持ち主です。実際に既に起業している人もいますし、一番驚いたのは既に10回起業して全て失敗しているという経歴の持ち主がいたことです。稀有な経歴だったため入学式でも話題として取り上げられるのと同時に、卒業生で7回起業するも失敗し、それでも8回目の起業で成功して事業を先日売却、数十億円のCapital Gainを得たという話が引き合いに出されていました。
※3 これは本当に必須ではないです。学部卒でそのまま入学してくるクラスメートも結構な人数いました。ただ、インターンシップなど企業で何等か働いた経験がある人が大半ではありました。
⑤Video Interview:
書類選考の通過後にVideo Interviewが行われます(WePowというこのコースの卒業生が作ったサービスを使って行われます)。これは、事前にProgram Directorが質問を動画で録画したものをWeb上で聞いて、30秒位のポーズがあった後に、各質問に対して5分以内に回答するという様な形式でした。質問はうろ覚えになってしまいますが、6~8問程度だった思います。何故この専攻で学びたいのか?どうして起業したいのか?などや過去の経験についてなど非常にオーソドックスな内容でした。
3.まとめ
如何でしたでしょうか?UCLに留学する日本人自体はそれなりの人数がいますが、私が所属するコースは私ともう一人の日本人が初めて学生ということでまだまだ認知されていないのだと思います。この記事を読んで少しでも興味を持っていただければ幸いです。今後は、個別のModuleの内容についても記事を書いていくので、ご関心を持って頂けた方はそちらも読んでみて下さい!
◆次の記事を読む!(UCL 大学院の授業-前期)
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