今回は本講義の主要テーマであるリーンスタートアップの考え方についてご紹介します。
今回は、CDLS(Customer Development & Lean Startup)のメインテーマであるリーンスタートアップの考え方についてご紹介します。非常に有名な概念なので、エリック・リースの書籍を読まれた方や、何らかワークショップに参加された方も多いかとは思います。
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【目次】
1.リーンスタートアップ
2.顧客開発を助けるツール
3.まとめ
1.リーンスタートアップ
リーンスタートアップという言葉自体を聞いたことがある方は結構いらっしゃって(有名な本もあるので)、概念も何となくご存じの方もいらっしゃるのではないでしょうか?私も何となく以下のようなイメージを持っていました。
(自分で書いていて凄く恥ずかしくなる様な理解ですが…)
・スタートアップ向けの事業開発の手法
・ビジネスアイデア(商品)を小さく初めて、検証を繰り返しながらブラッシュアップ
この理解がどちらかというとアジャイル(Agile)を指しているということは後々分かりました。では、リーンスタートアップは何なのかという所を見ていきましょう
リーンスタートアップの考え方は、トヨタのリーン生産方式を基に、エリック・リース(リーンスタートアップの著者)がIMVU(3Dアバターを使ったゲーム、海外版のアメーバピグみたいなもの)という会社を起業した際に用いた手法を体系化した概念です。リーンスタートアップの根底にあるのは、Customer Development(顧客開発)です。見込み顧客との会話を通じてビジネスアイデアの仮説構築(Build)・計測(Measure)を行い、得られた学び(Learn)を次の仮説構築に繋げ、単なるアイデアからMVP(Minimum Valuabel Product、実用最小限の商品)と徐々に形作りながら、仮説構築・計測を繰り返し、時に必要に応じて方向転換(Pivot)を行いながら、商品ローンチを目指すというのがざっくりとした全体の流れです。
2.顧客開発を助けるツール
次に顧客開発を行う際の役立つツール(今回はLean Experiment Map)についてご紹介します。(本当は他にもたくさんあるのですが、それらはまた別の機会に)
前述のBuild-Measure-Learnのサイクルを回す為にも、まずは仮説を構築する必要があります。では、どんな仮説を構築すれば良いか考える際に役立つのがProblem-Solution Fitです。問題とその解決策がちゃんと合致しているのか①must-have(絶対に必要か)、②feasible(問題を解決出来るのか)、③viable(対価を払ってくれるのか)の観点で確認しましょうね!というものです。例えば、ProblemとSolutionについて以下の様な点を確認して双方が合致しているのかを確認しないと絵に描いた餅になってしまいます。(英語で書くと何となくカッコイイですが、とても当たり前のことを言っています。)
例:
Problem
・顧客が本当にPain(苦痛)を感じるのか?
・どんな顧客が感じているのか?
・それはどれくらい苦痛なのか(単なるheadacheなのかmigraine(偏頭痛)の様にひどいものか)?
・何が原因なのか? etc…
Solution
・提供しようとしているサービスは本当にPainを取り除くことが出来るのか?
・その為に、顧客は対価を支払うのか?
・誰が支払うのか? etc…
そして、顧客開発における仮説構築・計測・学習の工程を見える化して管理する為のツールがLean Experiment Mapです。
以下が大まかなプロセスで、その中からA~Dと付した主要な項目について例も交えてご説明します。
Leap of Faith Assumption(A)
Hypothesis(B)
Experiment(C)
Behavior(期待される行動)
Target Metric(D)
Actual Result(結果)
Why?(原因を分析)
New Insights(新たな洞察)
Decision(意思決定)
A:Leap of Faith Assumption(挑戦の要となる仮説)
検証すべき仮説の中で他の要素を支える様なものを指します。例えば、旅行者向けに旅行計画を建てるのを助けるアプリを提供しようと考えたとします。この場合、旅行者がまず計画を建てることに何等か難しさを感じていることが必要になります。これがLeap of Faith Assumptionです。
B:Hypothesis(小?仮説)
Leap of Faith Assumptionを検証する為に、定量的に計測できるより細かな要素に分解した仮説を指します(と理解しています笑)。例えば、20-30人に対して彼らの旅行計画を建てる行程について質問し、大多数が少なくとも5個の媒体(雑誌、ネット、旅行代理店等)を使用すると回答する、というのがHypothesisの例です。但し、これだけだと何だか色々な情報ソースに頼っていて時間がかかりそうという印象は持ちますが、本当にPainかは微妙ですね(もしかしたら色々と検索するのを楽しんでいるかもしれません)。ですので、1つのLeap of Faith Assumptionを検証する為に三つのHypothesisを作って検証することが推奨されてます。例えば、旅行計画を建てる為に情報収集する過程で大半が具体例付きで不満を感じているとかですかね?
C:Experiment(実験)
Hypothesisを検証する為の方法を決めます。今回の例だと20-30人に対して過去の旅行計画を建てた経験について質問する、といった感じです。
D:Target Metric(目標値)
実験結果を踏まえて、次のHypothesisに移行するか否かを判断する目標値です。例えば、実際に質問をしたら、20-30人中の80%以上が5個以上の情報媒体を使っているなどです。
◆ここからLean Experiment Mapのテンプレートが無料でダウンロード出来ます
http://leanbrandbook.com/stack/
3.まとめ
如何でしたでしょうか?顧客開発をコアにBuild-Measure-Learnのサイクルをどれだけ早く効果的に回せるかが重要なので、Lean Experiment Mapもどれだけ多くのLeap of Faith Assumption(とそれを構築するHypothesis)を検証できるかがカギとなってきます。そして、これら全体の進捗管理を行う上で前回ご紹介したPPPが役立ってきます。次回はPPPのグループメンバーについてご紹介する予定です。
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