今回は、CDLSという授業についてご紹介します。
1.担当講師
CDLSはTerm1の火曜日朝一にある為、遅刻者が多い授業です。Canary Wharfはオフィス街の為、ちょうど通勤ラッシュの時間に相当し、とても混雑し電車に乗れなかったり、遅延で遅れてしまう様です。(日本だとみんなタックルして電車に乗っていましたが、こっちでは誰もそんなことはしてないのと、そもそも日本の通勤ラッシュ程は混雑していいないので、普通に乗れるのに何で乗らないのかと個人的には思います。)
早速話が逸れてしまいましたが、Pierre-Jeanという人物が講師を務めます。彼はExxon Mobilでキャリアをスタートさせた後、金融業界に転職しUBSでAnalyst、HSBCでPrivate Bankerとして勤務、その後にFintech関連で起業したそうです。また、Citiやその他のスタートアップに対するアドバイザーとして活動しながら、色々な大学で講義を受け持っているそうです。イタリア・ミランにあるBocconi UniversityでMBAを取得し、MIT SloanでExecutive向けのMBAを取得、更に現在はKing’s College Londonでmetal health of entrepreneurshipというテーマでPh.Dを取得中だそうです。いやはや学習に対するモチベーションの高さに驚かされます。
2.講義の目的
講義の始まりは”Welcome to Jungle!”のフレーズでした。起業家を目指す道程はJungleでワクワクするし、お宝が見つかるかもしれないけど、危険もいっぱいだということだそうです。そんなJungleのガイドをPierre-Jeanが務めてくれます。
最初に以下のデータを見せられ、スタートアップが失敗する理由のトップ3は①市場のニーズがないこと、②資金が尽きること、③正しいチームじゃないということだそうです。結局、これらの理由が上位に挙がることの背景には、多くのスタートアップが誤った商品・サービスの開発に多くの時間と資金をかけてしまうということがあるからだそうです。
ですので、ビジネスアイデアを思い付いたら、そのアイデアによって解消される顧客の不満・痛み(Pain)が本当に存在するのか、また本当にそのアイデアが解消できるのか、解消方法にそのアイデアを選ぶのかなどの仮説を見込み顧客との会話から検証していくというプロセスが、前述の失敗する確率を減らす為に重要となってきます。その為の、手法や考え方について講義を通じて学びながら、課題を通じて実際にその手法を毎週実践していき、当該プロセスのノウハウを体得することが目的となります。
3.課題と評価
毎週必ずある課題がPPPと呼ばれるものです。これは、Plan, Progress, Problemの頭文字を取ったもので、毎週初に計画(Plan)を建て、計画に沿って行動した結果、どんな進展(Progress)があったのか、またどんな問題(Problem)があるのかを週末に振り返り、翌週の計画を建てるというものです。このサイクルを自分で決めたビジネスアイデアをテーマに、毎週回していくこととなります。
また、このPPPのプロセスに授業で学ぶ内容(e.g. Lean Experience Mapなど)を徐々に組み込んでいき、実践することとなります。(各手法については別途ご紹介する予定です。)4人で1つのグループを作り、PPPの内容については毎週グループ内で公開し、自分以外のメンバーについてコメントを投稿することが求められます。これが結構大変ですが、一方で他人のアイデアを知れたり、自分のアイデアに対するアドバイスが結構クリティカルだったりする場合もあり、面白く凄く勉強になるなと感じています。
この他に、毎週の課題図書と不定期で別途小さな課題が出ます。最終的な成績は、1,500文字、1,000文字、3,000文字の3本のエッセイを提出することで評価されます。但し、エッセイの内容に毎週のPPPの内容や、学んだ手法を実践した結果の気付きなどを盛り込む必要があり、講義内容と課題が上手く繋がる様に非常に体系化されていると思います。
次回以降は、講義で学んだことについてより詳しくご紹介いたします!
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