今回はMGFで使用するビジネスフレームワークについてご紹介します。
講義概要に続いて今回はManaging the Growing the Firm(Series A~B以前のスタートアップを扱うケーススタディの授業)で使用する4つのビジネスフレームワーク(厳密には、一部はフレームワークではありませんが)についてご紹介します。
◆まずは前回記事を確認する!(MGFの講義概要)
【目次】
0.フレームワーク
1.Casuatory Venn
2.IntEx Framework
3.4 Key Barriers
4.Growth Strategy
0.フレームワーク
前回の講義概要でも紹介しましたが、MGFはStart-ups(スタートアップ)がテーマのケーススタディ中心の講義です。なので、ケースを読み込み、フレームワークなどを用いて分析したりする必要があります。しかし、通常のケースと異なり、扱っている題材が創業したての会社なので、従来のフレームワークよりもよりフィットした分析の枠組みを講師であるアダムが発明したそうで、それらのフレームワークの使い方を学びながら、実際に分析することとなります。
まずは、アダムが作った4つのフレームワークについて紹介していきます。
- Causatory Venn
- IntEx Framework
- 4 Key Barriers
- Growth Strategy
1.Casuatory Venn
これは成功するスタートアップの要素を3つのベン図で表したものです。CVP(Core Value Proposition)、Competence、Externalitiesの3つに分けられます。
CVP(コアとなる提供価値):
顧客が抱える重大な課題を解決することが出来るか
Competence(適正):
エクセキューションできるチームか
Externalities(外部環境):
タイミングが適切か否か(運があるかないか?)
これらの何れかがかけても失敗するリスクがあり、全要素の共通部分に属するのが成功する可能性の高いスタートアップだということを表しています。正直、これ以外にも重要な要素があると思いますし、CVPやCompetenceがあるのかどうかの判断も恣意的ではありますが、これらの要素を分かり易く可視化できるという点では意味のあるフレームワークなのかもしれません。
2.IntEx Framework
フレームワークと名が付いていますが、これはどちらかというとスタートアップを分析する際に着目すべき点を示したチェックリストの様なものです。スタートアップをInternal(内部要因)とExternal(外部要因)と、Product(モノ)、Customers&People(ヒト)、Cash(カネ)の要素のマトリックスに分けて見ていきます。
(内部要因)
Product:ちゃんと商品を作れるのか?MVPはあるか?現実的な商品開発のロードマップが作成されているか?
Customers & People:
ターゲットとなる顧客の行動特性を理解しているか?トラクションを測定する指標を見出し、測定出来ているか?チームが計画を実行するに足りる能力を有しているか?コアメンバーがフルコミットしているのか?
Cash:
ビジネスモデルが存在するか?VCと会話する為のファイナンシャルプロジェクションの作成や分析が出来るか?
(外部要因)
Product:Problem Solution Fitが出来ているか?(コアとなる提供価値が存在するか?)競争環境は厳しいか否か?(参入余地はあるのか?)
Customers & People:
既存の市場分析に係るレポートが存在するか?どの様な市場・顧客セグメントか?どの様な顧客獲得の経路が存在するのか?外部のアドバイザーがいるか?(或いは当該ビジネスを推進する上で有益なコミュニティに属しているか?)バリューチェーン上の川上と川下のプレーヤーとの関係性は?
Cash:
最初の売上を上げることが出来るか?投資家から資金調達出来そうか?
これが習った4つのツールの中で一番役に立つなと個人的には感じました。事業をヒト・モノ・カネの観点で見るのはポピュラーですし、内部と外部要因に更に分けることで、3Cの要素もカバーされます。手始めにこのフレームワークを使って会社を見てみることで、ある程度網羅的にポイントなる要素を押さえることが出来ます。
3.4 Key Barriers
これもフレームワークではなく、スタートアップの成長の障害となるポイントを単に示したものです。正直に言って、前述のCasuatory VennやIntEx Frameworkでカバーするスタートアップが成功する上で大切な要素と被ります。なので、これはあんまり意味が無いなと思ったツールです。
(因みに、以下が4 Key Barriersです。)
①Operations
②Customers
③Finances
④Leadership
4.Growth Strategy
最後は成長戦略に係るフレームワークです。
①現状把握⇨②将来の目標設定⇨③その差(Gap)を埋めるための方法を炙り出す⇨④優先順位をつける⇨⑤実行する計画を建てる(計画を建てる上での不確定要素、計画が上手くいかない場合の代替案を含めて)
といった流れで、成長戦略を描く手順を示したものです。
但し、スタートアップは不確定要素を数多く抱える為(Unk-Unkも多い)、ここに余り時間をかけ過ぎても無駄だが、明らかに予期できる障害を避ける為にも(何も考えないで何故そんな失敗を!?という失敗に直面するスタートアップが多いから)、最初にある程度の時間を取って考えることは大事だということをAdamは強調していました。
如何でしたでしょうか?次回は実際に授業で扱ったケースを紹介しつつ、上記のツールの使用例をもう少し詳しく説明していきます。
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