今回はブルーオーシャン戦略についてご紹介します。
今回は有名なブルーオーシャン戦略についてご紹介します。有名とは言いつつも、実際の所は私自身、名前や何となくコンセプトは知っていたものの、ちゃんと理解していなかったというのが本音です。そんなブルーオーシャン戦略の基本コンセプトの理解に、少しでもお力になれば幸いです。
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ブルーオーシャン戦略(Blue Ocean Strategy)
INSEADの教授だったW. Chan KimとRenee Mauborgneによって提唱されたとても有名な経営戦略論で、名前を聞いたことがある方も多いのではないでしょうか?
既存の市場をレッドオーシャン(Red Ocean)、未開拓の市場をブルーオーシャン(Blue Ocean)と例え、後者の市場でシェアを獲得することを目指す戦略です。未開拓の市場でシェアを獲得するとなると、新たな市場を一から創出するというイメージを持つかもしれません。当然、技術革新等で全く新しい市場を創出する場合もありますが、多くの場合は、既存の市場(レッドオーシャン)との差別化を図り、その中で別の市場の線引きをする(境界線を引く)ことになります。(レッドオーシャンの顧客のスイッチングとそもそもアプローチ出来ていなかった新規顧客の取り込み。)
では、どうやってブルーオーシャンを創出するのかというと、Value Innovationという考え方が基本となります。
Value Innovationの考え方はとてもシンプルで、①低コスト化を図りましょう(企業にとってプラス)、②サービスの価値を高めましょう(買い手にとってプラス)、これらを同時に取り組んで企業と買い手双方にとってWin-Winの環境を作りましょう、というものです。言い換えれば低コスト化と差別化を同時に図るというものです。
それでは、どうやってValue Innovation(低コスト化と差別化の両立)な状態を作るのでしょうか?やり方を考える上で役立つのがFour Actions Frameworkです。
既存市場のサービス/商品に対して①Raise(機能の向上)、②Create(機能の追加)、③Reduce(機能の低下)、④Eliminate(機能の削除)の4つのアクションを組み合わせることで、Value Innovationを実現しようというものです。前者(①・②)が差別化を図り、後者(③・④)が低コスト化を図ることになります。
更に、どこを強化し(差別化)、どの部分を削れば(低コスト化)良いのかを考える上で役立つのがValue Curve(或いはStrategy Canvas)と呼ばれるツールです。横軸に市場の競争要素(顧客が受取る価値の種類)を、縦軸に(顧客が受取っている)価値の度合いをとり、プロットしたものです。
ブルーオーシャン戦略の著書にも出てくる、シルク・ドゥ・ソレイユを例に従来のサーカスとのValue Curveの比較を見てみます。赤い線が従来のサーカスですが、左側の要素(花形のプレーヤー、動物のショーなど)が大きな提供価値となります。言い換えると、従来のサーカスは左側の要素を売りにしている、多くのお金を投資していることが分かります。一方で、右側の要素(テーマ性、芸術的な音楽とダンスなど)の要素にはそこまで注力していないことが分かります。当然、左側の要素が顧客のニーズと確りと合致していれば付け入る隙は無いのかもしれませんが、実際にTVやビデオ等の代替となる多くの娯楽サービスが誕生し、サーカス業界が縮小する中、シルク・ドゥ・ソレイユは右側の様な差別化を図り、今日の地位を確立(新たな戦略フロンティアにポジショニング)したことになります。
一方で、お気づきかもしれませんが、Value Curveをプロットする上での評価は多分に主観的なものですので、その点は留意する必要があります。
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如何でしたでしょうか?次回はNetflixのケーススタディを基に今迄学んだDisruptive Strategy、Blue Ocean Strategyを見ていきます。
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